私たちは、日本人の味覚にあった美味しい豚を、定時・定量・定質にこだわってつくりたいと考えています。
特に大切にしていることは、豚のストレスを少なくするための「環境」と、
肉質を向上させるための「飼料」と、予防と繁殖のための「科学技術」。
悠牧舎のこだわりを分かりやすく説明するために、
旧来型の畜産スタイルと比較しながら取り上げます。
子豚は寒さに弱いので、分娩舎、離乳舎、肥育舎全てに、床暖房を導入。また、成長した豚は暑さに弱いので、肥育舎には床下から送風できるオランダ製の自動空調システムを取り入れています。どの豚舎も、オールイン、オールアウトにし、最も清潔な環境で育てています。
空調管理ができないので、夏は湿度が高くなり蒸し暑く、冬は底冷えがします。換気不良や不適正な室温では、ウイルスや細菌に感染しやすくなります。また、オールイン、オールアウトでないので、豚舎をしっかり洗浄できないため、衛生的ではありません。
デンマーク製の最新の空調システムを導入。寒さに弱い子豚は、コルツヒーターで温まり、ゴムマットの上で就寝。温度と湿度を調節し、子豚にとっても母豚にとっても過ごしやすい空間を作ります。
木製のパネルと昔ながらのヒーター。木で囲んでいるので温かいが、暑さに弱い母豚にとっては、過ごしにくい。また、空調システムがないので、温度と湿度の調節が難しい環境です。
母豚から離れ、集団生活がスタートするので、ストレスで体調不良にならないように、環境を整えてあげることが大切。子豚が入る前に、2日間かけて離乳舎を洗浄。子豚を移す1日前に床暖房付け、温めておきます。また、光を取り入れるため、断熱性能が高いペアガラスを入れています。
空調システムがなく、空気が淀んでいます。光も入りづらく、閉ざされた狭い空間。寒くて暑い豚舎で初めての集団生活を迎えるので、ストレスが非常に高くなります。
腐食に強い、ポリプロピレン製のパネル仕切りを使ったオランダ製の豚舎と空調システムで、衛生的で快適な環境を用意しています。
寝床とトイレが一緒の状態で、空調システムのない昔ながらの豚舎。夏場は水場に身体を押し当てて冷やし、体温調節しています。
糞と尿を分けます。糞は肥料にし、尿は浄化してから流します。周りの自然環境も大切に守り、資源になるものは活用します。
費用をかけたくないので、糞は山積み。尿は法律違反だが、穴を掘り、その中に貯蔵。悪臭がひどく、人間も豚も住みづらい環境です。
オランダ式のリキッドフィーディングシステムを取り入れています。
食材は、国内の食品加工工場の製造過程で出たロスを利用。
サンドイッチにする食パンの耳や形のいびつなデニッシュや欠けた豆腐など、
人間が食べても問題のない食品を液化し、餌としています。
種類豊富で新鮮な食材を食べられるので、豚の健康維持に繋がっています。
また、プロバイオティック効果があり、豚本来の強さを引き出せます。
米国のトウモロコシを主体とした飼料。全て遺伝子組み換えの原料で、病気を防ぐために、多量の抗生物質を混ぜて豚に与えることも多い。粉末飼料なので、ホコリがひどく、気管支に負担がかかりやすい。雄は脂肪が付きすぎ、雌は脂肪が少なく、バランスよく育ちにくい。
病気を未然に防ぐため、獣医師免許取得者が、豚の発育に合わせたワクチンプログラムを組んでいます。規定の保管温度が設定されているワクチンは、大型の冷蔵庫で管理し、劣化を防ぎます。 人工授精で用いる精液は、15℃専用の冷蔵庫に入れて保管しています。保存期間は2週間とされていますが、4日以内に使用。パッキンマシーンで真空に近い状態にし、劣化を防いでいます。 精子の状態や病理検査を行うために、顕微鏡を使用し、日々研究を行っています。
感染症予防のために、常に飼料に多量の抗生物質を混ぜています。
費用をかけないため、ワクチン接種はあまり行いません。